毎年、春頃になると動物病院からフィラリア予防のお知らせが送られて来ませんか?
「あ~もうそんな季節か…」と思われていることではないかと思いますが、ご存じですか?
フィラリア予防薬はおやつタイプのチュアブルも含め、何か月間飲ませればよいのは地域によって異なります。
なぜなら、蚊の活動期間によるからです。
フィラリア症は蚊に刺されることによって感染します。
ですので、沖縄のように1年中暖かい地域では1年間を通してフィラリア予防薬を飲ませることになるわけです。
- そもそもフィラリア症って何?
- 症状はどんな感じですか?
- 蚊は気温何度位で活動するの?
- 予防薬を飲ませる期間と蚊が出る時期が少しずれているのはなんで?
この記事ではこのような疑問にお答えしていきます。
ぜひ、最後までご一読ください。
犬のフィラリア症はよく解らないけど予防薬はある期間飲ませている
そもそも犬のフィラリア症とはどのような病気なのでしょうか?
フィラリア(糸状虫)という寄生虫を体内に持っている蚊に刺されると感染してしまう病気です。
言い方を変えると、フィラリア(糸状虫)を体内に持っていない蚊に刺されても感染はしません。
どの蚊がフィラリアを持っていて、どの蚊が持っていないのかは蚊を見ても判らないので、とにかく蚊に刺されないことが肝心です。
しかしながら、蚊に100%刺されない保証はあり得ませんよね。
そこで、どうすればフィラリア感染症にかからずに済むのかといえば「蚊が活動する期間に予防薬を投与すればフィラリア症になることはない」ということです。
フィラリア(糸状虫)は最終的に心臓や肺の血管に寄生し、さまざまな循環不全の症状を起こします。
犬のフィラリア予防の投薬期間を守れば感染することなく症状は出ない
しっかり犬フィラリア症の感染予防の内服薬またはスポットタイプの予防薬をある期間投薬するか、または犬フィラリア症ワクチンを1年に1度接種をすることによって感染を防ぐことができます。
犬フィラリア(糸状虫)症に感染してしまうと次のような症状を起こるので注意して観察してください。
- 咳をするようになる
- 元気・食欲がなくなる
- 呼吸が速くなったりして苦しそう
- 腹水がたまる
- 血尿
など
犬のフィラリア症予防薬を投薬する期間は具体的にいつ?
ここ相模原では4月から11月頃まで蚊が活動するので患者さんには、5月の末(25日)~12月の末(25日)まで投薬くださいとお伝えして処方しています。
「えっ!どういうこと?」と思われるかもしれませんが、フィラリア(糸状虫)が犬の体内に入ったときの幼虫の段階ではまだ予防薬が効果を発揮しません。
飲み薬やスポットタイプは蚊が出始めてから1ヶ月後から蚊がいなくなった1ヶ月後まで飲ませる必要があります。
フィラリア症の予防薬が効果を発揮するのは犬の体内に入ってから1ヶ月後ほど経過した幼虫だからです。
ちなみに、蚊が活動する気温は15度~30度。活性化するには25度~30度といわれています。
犬にフィラリア予防薬を飲ませる期間を数か月だけさぼってしまったらどうなる?
もったいないですよね。8ヶ月投薬するところを6ヶ月しか投薬せずに感染してしまうこともあり得ます。
せっかく予防薬やスポットタイプで予防するなら最初から最後まで投薬することが無駄のないことではないでしょうか。
まとめ
犬のフィラリア症の予防薬は、蚊が発生する1ヶ月後から蚊がいなくなる1ヶ月後の期間投薬することが必要です。
飲み薬やスポットタイプの投薬を途中でやめてしまい感染するようなことがあると、今まで飲んだ薬の意味がなくなってしまします。
犬フィラリア症にはワクチンもあり、1年に1回の接種で予防できます。