人間には有益な薬物であっても薬に入っている成分を犬や猫は代謝(体外に排出)できないために薬物が体内に残って中毒症状を起こしてしまいます。
- 風邪薬
- 正露丸
- たばこや葉巻
- 除草剤や殺虫剤と殺鼠剤
今回は、上記のようなものに含まれている薬物が原因で犬や猫が中毒を起こしてしまうときの症状や対処法をお伝えして行きたいと思います。
ぜひ、最後までご一読ください。
犬が中毒症状を起こすといわれる薬物のアセトアミノフェン
アセトアミノフェンは、解熱鎮痛剤を目的として風邪薬に含まれる薬物です。
人間には効果がありますが、犬や猫はアセトアミノフェンを人間よりもかなり少ない量しか代謝して体外に排出することができません。
中毒を起こすと以下のような症状が見られますので、投薬後なんとなくいつもと違うなと思った時点で早めに動物病院に問い合わせした方がよいでしょう。
症状は、
- 元気消失
- 食欲減退
- 嘔吐(吐く)
- 顔が腫れる
- 呼吸異常
- 貧血
- チアノーゼ(舌の色が紫色になる)
などです。
呼吸困難やチアノーゼなどの循環不全や肝臓・腎臓の内臓系まで進行し昏睡状態に陥ってしまうと治療に活躍する「N-アセチルシステイン」を使っても死に至ってしまうこともあり得ます。
軽く考えず、アセトアミノフェンが含まれている風邪薬に限らずに犬や猫が病気になってしまったら試しに人体薬を飲ませるようなことはせずに、動物病院に受診しましょう。
飲んだことがあるから大丈夫だろうと思わずに、必ず飲ませる前に獣医師に相談するべきです。
犬が中毒症状を起こすといわれる薬物の正露丸
犬が下痢をしたとき、正露丸で治るのでは?
なんて思われたことはありませんか。
飲ませてはいけません。
フェノール類の薬物も犬は代謝できません。すなわち、中毒症状を起こします。
症状は、
- 嘔吐(吐く)
- 元気消失
- 胃が荒れてよだれ
- 呼吸がハアハアする
などです。
中毒は様子を見て重症化すると肝臓や腎臓などの内臓がやられ、死に至ることもあるということを覚えておいてください。
誤飲や投薬してしまったときには迷わずにできるだけ早く動物病院で処置を受けることをおすすめします。
犬が中毒症状を起こすといわれる薬物のニコチン
ニコチンといえば、ご存じの通りタバコですよね。
タバコを吸ったりタバコの煙を吸うのと、タバコそのものを食べてしまうのとではニコチンが身体に吸収される量は違います。
しかしまた、ニコチンは水溶性という特性を持っています。
水溶性とは、水に溶けやすいという意味で
その灰皿の水を飲んでしまった犬は、タバコを食べてしまったのと同じ状態になってニコチン中毒症状になります。
症状は、
- 元気消失
- 吐く
- 震え
- 痙攣
- 昏睡
などです。
タバコを食べてしまったとき、水を飲ませることは危険な行為といえます。
なぜなら、タバコは水に溶けやすいのでニコチン中毒を促進してしまうからです。
動物病院に連絡し、一刻も早く吐かせるか胃洗浄することがよいでしょう。
犬が中毒症状を起こす薬物の除草剤や殺虫剤と殺鼠剤
「有機リン系」「カーバメート」「パラコート」「グリホサート」「ワルファリン」など聞いたことや成分表記で見たことがあると思います。
これらは、そもそも動植物の生き物を死滅させるために使われている薬物です。
身体によいはずはありません。
犬の散歩で公園などに行くと、整備のため除草剤を使われていることを知らずに花壇などに顔を突っ込んでしまい、薬剤に触れてしまうことがありますので注意してください。
症状は、
- 皮膚や目の発赤、その他の異常
- 元気消失
- 吐き気
- ただれ
- 呼吸異常
- 肝臓・腎臓障害
などです。
除草剤や殺虫剤、殺鼠剤(ねずみを駆除する薬物)には細心の注意が必要といえるでしょう。
まとめ
人用の風邪薬や正露丸を与えてしまったリ、タバコなど何かを誤飲してしまったときには、できるだけ早く動物病院に相談をすることをおすすめいたします。
散歩から帰ってきて、いつもと様子が違う場合も同様です。
犬がいつも違うものを口にした可能性がある場合は、まずは動物病院に問い合わせましょう。