最近「猫の目ヤニが気になるな」と思っていたら、涙目になって更には結膜炎になってしまった。そんな経験はありませんか?
それは、ヘルペスウィルスに因る猫伝染性鼻気管炎かクラミジアなどの細菌性の伝染病が原因かもしれません。
治療をせず様子を見てしまうと、最悪の場合は目がつぶれてしまい眼球摘出手術をしなければならない状態に至ることもあります。
感染症と聞くと「うちの猫は1匹で飼っているの感染する心配はないので大丈夫」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
子猫のときに感染していて治ってから飼い始めた場合などでは、ストレスや高齢になって免疫力が落ちたときに発症することがあります。
子猫が以前感染していたことを知らないため、他の猫との接触もないのにどこで感染してしまったのだろう?ということになる訳です。
当記事では、治療法や予防法なども紹介していきますので、ぜひ最後までご一読ください。
猫の感染症で目に症状が現れる原因はウィルスと細菌で感染経路は接触である
猫の目に症状が出る病気の原因はの多くは、ヘルペスウィルスやクラミジア細菌が知られています。
接触することで感染するのですが、直接猫同士が接触しない場合でも感染する場合は次の通りです。
結膜炎以外にクシャミや鼻水などの症状がある場合は「クシャン」と飛ばしたクシャミや鼻水の中に大量のウイルスが含まれており、飛ばされた体液が床や食器に付着します。
同じ食器で食餌や水を飲んだり、同じトイレ又は体液が付着した床に寝転がったりして感染することもしばしばです。
2匹以上で猫を飼育されている方は消毒や隔離を徹底した方がよいでしょう。
症状を発症している猫に触れたときは、必ずよく手を洗いましょう。
その他にも、ウィルスや細菌感染以外で猫の目に症状が出る原因として
- ハウスダストや花粉などのアレルギー
- ほこりや毛などの異物
- 免疫系の病気
なども考えられます。
猫のウイルス感染症は目以外にも症状は出る
ヘルペスウィルスやクラミジア細菌以外にも風邪の症状を示すウィルスは存在し、次のような症状を発症します。
- クシャミ
- 鼻水、鼻炎
- 発熱
- 元気、食欲減退
- 口内炎
- 結膜炎
- 嘔吐、下痢
これらの症状は、猫ヘルペスウィルスだけでなく「猫カリシウィルス」や「猫パルボウィルス」によるものも含まれます。
少しややこしく思われるかもしれませんが、猫のウィルス感染症は違うウィルスでも似たような症状を示し、1種類のウィルス感染だけでなく2種類以上のウィルスが混合感染してしまうこともあるのです。
ひどくなると肺炎を起こし、死に至ることもあるので重症化する前に早めの治療が必要とされます。
猫がウイルス感染してしまったら目の症状によって治療法が異なる
治療法は、抗ウィルス剤や抗生剤など共通の薬を使用することはありますが、症状によって対症療法になります。
症状が目ヤニや涙の場合の治療方法は目薬である
目の症状だけであれば、目を洗浄したり点眼薬を使用することがほとんどです。
症状が結膜炎や角膜炎の場合の治療方法は目薬が基本である
猫が結膜炎や角膜炎を発症しているときは、基本的には1日2~3回位目薬を付けることで回復する場合が多いです。
しかし何もせず様子を見てるうちに結膜が腫れ上がって、上の結膜と下の結膜がくっついてしまい目が開かなくなるような状況に陥ってしまうことがあります。
目がつぶれて(開かなくなって)しまった場合は、眼球摘出手術になることがほとんどです。
角膜炎の場合も同様、角膜に穴が開いて(角膜潰瘍になって)重症化すると最終的に眼球摘出手術に進んでしまうことがあるので、とにかく「目がなんか変だな」と思ったら様子を見ずに動物病院に行くことをおすすめします。
症状が目のほかに鼻水やクシャミなどがある場合の治療方法は対症療法である
目の症状に関しては上記で述べたように目薬や目の洗浄をした上で、他の症状の鼻水やクシャミに対しては2次感染を予防する意味で抗生剤の投与を試みます。
状態によってはウィルスの増殖を抑制するインターフェロンや抗ウィルス剤を使うこともありますが、とにかく体が冷えないように暖かくして免疫力を上げましょう。
万が一発症してしまったとしても重症化せず短期間で回復できます。
免疫力を上げるには、ストレスがないことも大きな要因といえるでしょう。
ストレスとは、
- 皮膚病や膀胱炎などの病気で猫の体調によるストレス
- 相性がよくない同居動物
- 人間(赤ちゃんや子供)などの存在によって落ち着く場所がない
- 家の周辺の騒音(カラスの鳴き声や工事の音)
- 寒かったり暖かかったり気温の変化についていけない
などさまざまです。
猫の目に症状が出るウイルスと細菌感染の予防法はワクチンである
猫が目や鼻水、クシャミなどの風邪の症状を予防する1番の予防方法はワクチンです。
子猫のときにすでに感染している場合、今は症状を発症していなくても体の中にウィルスが潜伏感染している可能性があります。
1年に1度、ワクチン接種することでウィルスの抗体価を保つことが大切です。
また、猫に風邪の症状が出ているときはワクチンは打てません。
ワクチンを打つと症状が悪化してしまうからです。
1年に1度の接種をおすすめします。
目に症状が出る特徴のヘルペスウィルスのワクチン
ヘルペスウィルスは一般に3種混合ワクチンに入っています。
目に症状が出る特徴のクラミジア細菌のワクチン
クラミジア細菌のワクチンは3種混合ワクチンには含まれていません。
5種混合ワクチンは、上記の3種のウィルスに加え「クラミジア」と「猫白血病ウィルス」が入っています。
3種と5種どちらのワクチンを打った方がよいのかは、動物病院に相談するとよいでしょう。
まとめ
目に症状が出る猫風邪の原因の多くは、ヘルペスウィルスとクラミジアなどの細菌です。
感染は、症状を発症している猫に接触したり同じ食器やトイレを使用することで起こります。
猫風邪は目以外にも、さまざまな以下のような症状があるので注意しましょう。
- クシャミ
- 鼻水、鼻炎
- 発熱
- 元気、食欲減退
- 口内炎
- 結膜炎
- 嘔吐、下痢
治療法は、主に発症している症状に対する対症療法となります。
ワクチンは風邪の症状があるときは打てませんので、元気と食欲があるとき猫が風邪をひかないように1年に1度の接種しましょう。